兵庫県尼崎市の連続変死事件で、首謀者とされる角田美代子元被告(当時64、自殺)の次男で、義姉ら2人に対する殺人罪などに問われた優太郎被告(28)の裁判員裁判で、神戸地裁(増田耕児裁判長)は18日、懲役17年(求刑懲役25年)の判決を言い渡した。
一連の事件で起訴された元被告の親類縁者7人に対する判決は初めて。裁判員の在任期間は132日で過去最長だった。
優太郎被告は義姉の仲島茉莉子さん(同26)や、同居していた角田久芳さん(同51)への殺人罪など死亡した男女5人に関する7つの罪で起訴された。被告はこのうち6つの罪は起訴内容を否認していた。
この日の判決は起訴内容をほぼ認め、7つの罪すべてを認定した。
判決理由で増田裁判長は2件の殺人について、「家族ぐるみで被害者を追い込み、長期間死の恐怖と直面させるなど悪質な犯行」と指摘。角田家での生活を維持するために積極的に関与したとしていずれも共謀を認めた上で、計画を立案するなどした首謀者は元被告とし、「元被告に比べると従属的な立場だった」と量刑理由を説明した。
起訴状によると、優太郎被告は美代子元被告らと共謀し、2005年、久芳さんを殺害したうえ事故を装って保険金を詐取。08年には茉莉子さんを尼崎市の自宅に監禁、虐待して殺害したなどとされる。