激しい内戦が続くシリアから日本へ逃れてきた男性4人が難民認定を求める訴訟を18日までに、東京地裁に起こした。都内で記者会見した原告のジュディ・ヨセフさん(31)は「一生懸命逃げて日本に来た。どうか私たちを助けてほしい」と訴えた。
原告側によると、2011年に本格化した民主化運動「アラブの春」以降、シリア人が難民認定を求めて提訴するのは初めて。
訴状によると、4人は反政府デモなどに参加した後、12年に来日し、難民認定を申請したが退けられた。原告側は「帰国すれば迫害を受ける恐れが高い。シリア情勢の分析を誤ったまま不認定処分をしており無効だ」と主張している。
弁護団によると、国連難民高等弁務官事務所が各国にシリア難民の受け入れを求めており、欧米などでは申請した人の9割以上が難民認定されているが、日本ではまだ3人しか認定が確認できていない。弁護団は「世界的にシリア難民を支援している中でまだ日本は役割を果たしていない」と批判している。
法務省入国管理局は「訴状の内容を検討して適切に対応したい」とコメントした。〔共同〕