岩谷産業、東芝燃料電池システム(横浜市)、長府工産(山口県下関市)などは山口県周南市の徳山動物園で水素を利用する燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システムの実証試験を始めた。同市のコンビナートで発生する水素を使い電気と温水をつくる。2016年度の商品化を想定、水素を活用した街づくりを進める地域での利用を見込む。
水素を使う燃料電池コージェネレーションシステムは山口県の補助金を受けて開発。試験では電気をゾウの施設の照明、温水はゾウを洗うシャワーなどに活用する。
システムの出力は0.7キロワット。電池は東芝燃料電池、ボイラーは長府工産が中心になって開発した。水素を供給するためのボンベも備える。
二酸化炭素(CO2)を発生させない環境に配慮した新たなシステムとして普及を目指す。公共施設や一般家庭での利用を想定している。
24日に周南市地方卸売市場で同システムの試験を開始し、電気や湯を青果などの売り場で使う。
県や周南市はコンビナートの工場で製品製造時に発生する水素を活用した地域づくりを推進している。年内には岩谷産業が同卸売市場の敷地内に水素を供給する水素ステーションを開設する。
県の木村進商工労働部長は「水素を地域資源としてしっかり活用する」と語った。