東京国税局から約3995億円の申告漏れを指摘された日本IBMの持ち株会社が、課税処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(山田俊雄裁判長)は25日、国側の控訴を棄却した。約1200億円の課税を取り消しIBM側の勝訴とした一審・東京地裁の判断を維持した。
問題とされたのは、自社株の売買に伴って一定の税務上の損失を計上する制度と、連結納税制度を組み合わせた取引。国側は「持ち株会社はペーパーカンパニーで税逃れ目的の取引だった」と主張し、IBM側は「法的に問題ない」と反論していた。
一審・東京地裁は「持ち株会社は一定の機能があった」としたうえで、株の売買条件について「不合理、不自然とは言えない」と指摘。こうした手法を明確に禁じた当時の法規定も見当たらないとして「制度を乱用して税逃れを図ったとまでは言えない」と判断した。判決を不服として、国側が控訴していた。