三井住友銀行は26日、2015年度の幹部人事と組織改定を発表した。外国人の執行役員を倍増し、部店長も大幅に増やすのが特徴だ。現地採用の人材を幹部に積極的に登用して、アジアを中心とする海外市場の開拓を加速する狙いだ。
外国人幹部の登用では3人いた執行役員を6人に倍増する。全役員の1割弱を外国人が占めることになる。資源開発などの大型事業向け融資(プロジェクトファイナンス)を主導するラジーブ・カナン・プロジェクトファイナンス営業部長らが執行役員に昇格する。
海外拠点で約100ある部店長ポストも、外国人の比率が現在の2割から今春に3割超になる。組織面ではアジアでの決済ビジネスの強化に向け、シンガポールに「アジア・大洋州トランザクションバンキング営業部」を新設する。約90人の部員を率いる部長には、外国銀行からスカウトしたシンガポール人が就く。
低金利で厳しい国内の収益環境が続くなか、邦銀勢は成長の源泉を海外市場に見いだしている。三井住友銀も体制強化を続けており、海外拠点の現地採用職員は昨年末時点で約6500人と8年ほどで2倍超になった。とりわけ増加が目立つのはアジア太平洋地域だ。
市場開拓を進めるには、地元の事情に通じた現地採用職員の活用が欠かせない。職員の士気向上も狙い、外国人の幹部登用を進めている。