勤務先だったトヨタ自動車グループの特殊鋼メーカー「愛知製鋼」(本社・愛知県東海市)のセンサー開発技術情報を他社に漏らしたとして、愛知県警は23日、いずれも60代で愛知県在住の同社元役員と元社員の男を不正競争防止法違反(営業秘密開示)の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、2人は同社で働いていた2013年ごろ、同社の営業上の秘密にあたる高性能磁気センサー(MIセンサ)の開発技術情報を、大阪府内の電子回路応用装置会社の社員に漏らした疑いがある。
元役員は愛知製鋼の電磁事業部門を立ち上げてMIセンサの開発に長年携わり、14年まで在籍。同社の技監だった12年には、センサーの開発で国の産学官連携功労者表彰「文部科学大臣賞」を受賞している。元社員は15年まで勤務していた。2人とも技術者として営業秘密を知りうる立場にあったという。同社が昨年、県警に刑事告訴し、県警が任意で捜査をしていた。
愛知製鋼は1940年創立。主…