文部科学省の組織的な「天下り」あっせん問題を受け、文科省系の一般財団法人「教職員生涯福祉財団」は23日、文科省出身の役員ら5人が辞任することを松野博一文科相に報告した。事業運営への疑念を抱かせた責任を取る、としている。
文科省の天下り問題をまとめ読み
辞任するのは、いずれも文科事務次官だった国分正明会長、清水潔理事長、井上孝美評議員会議長の3人と、文化庁長官だった玉井日出夫副理事長、文科審議官だった金森越哉理事の計5人。全員非常勤で理事長以外は給与は支払われておらず、理事会などの会合ごとに謝金を支払っていた。3月の評議員会と理事会で辞任が正式に決まる。
同財団は、教職員らを対象に保険や年金など生涯生活設計を支援しているが、文科省人事課OBの嶋貫和男氏が財団審議役としての業務の傍ら、「天下り」のあっせんをした。嶋貫氏が退職後に勤めた公益財団法人にも職員を出向させ、嶋貫氏の秘書業務を担わせて給与を負担していたことが、文科省の調査で判明している。