【上海=共同】日本選手初の2連覇を狙ったフィギュアスケートの世界選手権で2位だった男子の羽生結弦(ANA)が一夜明けた29日、上海で取材に応じ「失敗は成功のもと。失敗しないと気づけないこともある」と、けがなどアクシデント続きだった今季を前向きに捉えた。
一番苦しかったことに、練習で他選手と激突した昨年11月の中国杯での負傷を挙げた。「僕は本当に特別なんだと思った」と復活を支えた周囲に感謝した。演技後半に4回転ジャンプを入れる構成は断念せざるを得なかったが、来季また挑戦する意向を示した。
初出場で銀メダルを獲得した女子の宮原知子(大阪・関大高)は「一年一年上達しているかなと思う。3年後の五輪に向けていいスタートが切れた」と手応えを口にした。7位に終わった村上佳菜子(中京大)はジャンプの回転不足を修正できて「だいぶ進歩」と喜びつつ「来季もやるかどうかはまだ決めていない」と話した。
同日のエキシビションで羽生はスローテンポの曲を情感たっぷりに演じ、4回転ジャンプも決めて観客から喝采を浴び、宮原はジャンプや軽やかなステップで場内の視線をくぎ付けにしていた。