高齢者を車いすやベッドから介護リフトを使って移動する際に転落させてしまう事故が相次ぎ、2014年までの10年間に4人が死亡、24人が重軽傷を負っていたことが30日までに、消費者庁と独立行政法人製品評価技術基盤機構(東京)への取材で分かった。
誤った使用方法が原因でリフトに固定するためのベルトが外れたり、車いすごと転落したりしたとみられ、業界団体は正しい使い方をするよう注意を呼び掛けている。
介護リフトは、体が不自由な人をシートでくるんでつり上げ、ベッドや浴槽に移動するタイプや、車の後方に付けた昇降機で車いすごと出し入れするタイプなどがある。製造会社の業界団体「日本福祉用具・生活支援用具協会」(東京)によると、全国に少なくとも約3万台あるとみられる。
日本福祉用具・生活支援用具協会は(1)使用前の機器点検(2)ベルトがリフトのフックにきちんとかかっているか確認(3)車いすがリフトに固定されているか確認――などを徹底するよう求めている。