とかち帯広空港の空港ターミナルビルを運営する第三セクター、帯広空港ターミナルビル(帯広市)は30日、ターミナルビルを約11億円かけて約4割拡充し、2017年度の早期に供用を始めると発表した。拡充は約20年ぶり。国内線と国際チャーター便を同時に受け入れられるようになるなど利便性が高まる。アジアなどからの誘客をにらみ、施設整備で先手を打ち、航空便誘致を有利に進める。
米沢則寿社長(帯広市長)が帯広市内で記者会見し、発表した。現在のターミナルビルに隣接する市有地に3階建てのビルを建設する。拡充部分の敷地面積は1440平方メートル、ターミナルビルの延べ床面積は2728平方メートル。6月の株主総会の議決を経て15年度中に設計、16年度着工、同年度末の完成をめざす。
1階に手荷物受取場、ベルトコンベヤー、税関・検疫設備、2階に搭乗者待合室、保安検査場、出入国審査場を設ける。3階は機械室。既存のビル(延べ床面積約7900平方メートル)は基本的に大幅改造はしない。飛行機と結ぶ固定橋も1つ増やし、3つにする。
アジアからの航空便は午前中の到着を望むケースが多いが、現在は国際線と国内線が同時に到着する場合、施設面などで受け入れができない問題があった。
ターミナルビル拡充をテコに、夏季の季節運航である名古屋便の通年運航、関西便の通年運航のほか、アジアの国際チャーター便の誘致に本腰を入れる。
現在、同空港の定期便は帯広―羽田の1日7往復で、14年度の同便の利用者は57万人程度と、ピークだった02年度の約56万9000人を上回る見込み。