自然乾燥させている凍み餅=2月20日、福島県葛尾村
福島県葛尾(かつらお)村で、特産の「凍(し)み餅」づくりが、6年ぶりに進められている。東京電力福島第一原発の事故による全村民の避難で途絶えかけた寒冷地の食文化が、引き継がれる。
凍み餅づくりは、もち米に山野草の「ごんぼっぱ」(オヤマボクチ)、ヨモギなどを混ぜて蒸す。餅を水に浸して、気温が零下4~5度まで下がる夜間に屋外につるして凍らせるのが一般的だ。未明に取り込み、1カ月以上、屋内で乾燥させる。
全村民が避難していた葛尾村は、「帰還困難区域」を除いて、昨年6月に避難指示が解除された。凍み餅の製造販売会社「ふるさとのおふくろフーズ」では、新しい作業場を完成させ、2月15日から代表の松本富子(ひさこ)さん(80)ら4人で凍み餅づくりを復活させた。
松本さんが子どものころ、どの…