三越伊勢丹など大手百貨店5社が1日発表した3月の売上高(既存店ベース、速報値)は前年同月比14~23.8%減と大幅に落ち込んだ。2014年4月の消費増税前の駆け込み需要の反動が出たが、特殊要因がなかった13年3月よりは軒並み上回った。富裕層や外国人観光客の消費が活発だった。
三越伊勢丹は14%減だった。宝飾品や時計、家具などの売り上げが昨年3月に集中した反動で全体を押し下げた。高額品の落ち込みが大きかった高島屋は23.8%、大丸松坂屋百貨店は23%それぞれ減少した。
しかし、駆け込み需要の反動という特別な要因を除けば、全体に売り上げは回復基調にある。外国人観光客の来店が増えており、三越銀座店では免税品の売り上げが4倍を超えるペースで推移している。
高額品の販売が依然として好調なことも後押しする。大丸松坂屋百貨店は13年3月に比べて宝飾品の売り上げが5割以上伸びた。美術品などの販売も好調という。阪急阪神百貨店の売上高も13年3月に比べて2%、そごう・西武も0.3%上回るなど消費の底堅さが出始めている。