周辺に医療機関がない「無医地区」が2014年10月末現在、全国に635あり、地区内の人口が計約12万3千人に上ることが厚生労働省の調査で2日までに分かった。調査は5年ごとに行われており、前回(09年10月末現在)より70地区、約1万3千人減った。
無医地区は半径約4キロの範囲に50人以上が暮らす地区のうち、車などを使っても1時間以内に医療機関を受診できない地域。厚労省は無医地区減少の要因を「交通の便が改善されたほか、人口減少に伴い人口50人以上とする無医地区の基準から外れた地区が増えた」と説明。「必ずしも医療体制が改善されたとは言えない」としている。
人口が50人未満に減った地区については「無医地区に準じる地区」として、へき地医療拠点病院からの巡回診療など、無医地区と同様の体制整備を進めている。
都道府県別でみると、無医地区が減ったのは28道県で、このうち山形と長崎の2県は今回の調査で無医地区がゼロになった。首都圏の4都県(埼玉、千葉、東京、神奈川)と大阪、佐賀の2府県は前回と同様に、無医地区がゼロだった。一方、増えたのは和歌山や栃木など7県。
無医地区が最多だったのは、北海道で89地区。次いで広島(56地区)、高知と大分(いずれも38地区)となっている。面積が広く、山間部が多いことなどが要因とみられるという。
厚労省は歯科医がいない地区の集計結果も公表した。09年より72少ない858地区だった。〔共同〕