東京都の豊洲市場の地下水から環境基準の最大79倍のベンゼンなどが検出された問題で、都の専門家会議が複数の検査機関に依頼して再調査した結果、市場敷地内の複数地点で基準超の有害物質が検出されたことが分かった。築地市場からの移転を延期した小池百合子都知事は、検査結果などを参考にする考えで、移転について難しい判断を迫られることになる。
豊洲地下水、基準79倍の有害物質 70カ所で超過
豊洲市場の地下水については、土壌汚染対策工事が完了した2014年から都が検査を実施。昨年9月公表の8回目には基準をわずかに超すベンゼンなどが初めて検出されたが、今年1月公表の最終9回目に全201地点のうち72地点で、基準の最大79倍のベンゼンなどを検出。安全性を検証している都の専門家会議が4機関に依頼して再調査をしていた。
関係者によると、再調査対象の29地点のうち、複数地点で基準を超す有害物質が検出された。濃度は9回目の検査結果と大差ない程度という。都は敷地内の地下水位を一定に保つ管理システムを昨秋に本格稼働しており、地下水の変動が影響したという見方が出ている。
結果は19日の専門家会議で公表される。