全国農業協同組合連合会(全農)は2日、大阪堂島商品取引所(大阪市)が試験上場するコメ先物を容認する姿勢を明らかにした。これまではコメ価格の乱高下を招くとして反対していたが、適正な価格形成を前提に方針を転換した。コメ流通で5割のシェアを持つ全農の方針転換は、8月で試験上場の期限を迎えるコメ先物の継続議論に影響を与えそうだ。
同日開いた記者会見で米穀事業担当の岩城晴哉常務理事が「先物やそれに準じた市場(の活用)を検討する必要がある」と述べた。2018年産メドの生産調整(減反)廃止を見据え、需給を反映した指標性のある価格形成の場所が必要だとの議論が高まっていることを踏まえたものだ。
実際に取引に参加するかについては明言を避けた。コメは消費低迷などを背景に価格低下が続き、全農も販売に苦戦している。価格メリットがあれば販売先として先物市場を活用することなどを想定しているようだ。
全農などJAグループは11年8月にコメ先物を試験上場して以来、主食であるコメを投機の対象にすべきではないとして一貫して先物に反対してきた。自民党などは4月中旬以降、コメ先物の延長について議論を始める予定だ。