政府と経団連は2日の「経済の好循環実現に向けた政労使会議」で、原材料費が高騰した場合に中小企業が大企業に納入する製品価格に転嫁しやすくする支援策で合意した。中小企業が賃上げしやすい環境をつくる狙いだ。
合意文によると、政府は「原材料価格が大きく変動する場合は定期的に価格交渉を実施する」などの政府の取引指針を順守するよう自動車、航空機などの14業種に要請する。経済産業省が9月末までに大企業500社に立ち入り検査する。違反が見つかれば、行政指導などで是正を促す。
経団連は中小企業に値下げ圧力がかからないよう会員企業に協力を要請する。納入価格を決定する際、コスト増をどう分担するか事前に協議し合意するよう求める。
政労使会議では、連合の古賀伸明会長が2015年の春季労使交渉の第3回回答集計を報告した。定期昇給とベースアップ(ベア)をあわせた賃上げ額の平均は6944円で、昨年の第3回と比較すると449円上回った。賃上げ率も2.33%で0.13ポイント上がった。ただ、300人未満の中小企業に限定すると平均は5185円の2.08%で、大企業に比べて見劣りした。