コンクールで炊いたコメの点数を付ける審査員ら(昨年12月、熊本県菊池市、米・食味鑑定士協会提供)
おいしいコメを表彰するコンクールが各地で盛況だ。大阪市の団体が主催する大会では、出品数が毎年増えており、入賞者のコメからギネス世界記録に認定される「高額米」も生まれた。生産者側には、表彰がブランド化につながるのが魅力のようだ。
ご飯の味や香り、つやなどを審査員が慎重に採点していく。昨年12月、熊本県菊池市であった米・食味分析鑑定コンクール。米・食味鑑定士協会(大阪市、鈴木秀之会長)が菊池市などと開いた。全国から5671の出品があり、事前の1、2次審査を通った138品を審査。5部門で賞が決まった。
このコンクールは、コメをブランド化して農業を元気づけようと2000年にスタート。05年からは大会を誘致する自治体とともに各地で開いている。
奈良県御所市の杉村定雄さん(67)はこれまで、都道府県代表部門で3回金賞を受賞。乳酸菌を使うなど独自の工夫をし、昨年には地元の地名を取って「佐味郷(さびごう)米」という商標を登録した。販売価格は一般的なコメより5割ほど高いという。「賞をとれて信用を得られた。地元の仲間とブランド化を進め、地域の若者が農業で暮らしていけるようにしたい」と語る。
島根県奥出雲町の第三セクター奥出雲仁多米(にたまい)は、全品種を対象にする総合部門で6回金賞を受けた。仁多米はコシヒカリの産地ブランドで、味のよさから業界では「東の魚沼コシヒカリ、西の仁多米」と言われるほど。集荷・販売する同社によると、小売価格は一般の約2倍。担当者は「『西の横綱』と言われるようになったのはコンクールのおかげです」と言う。
昨年、コメ総合メーカーの東洋ライス(東京)が、過去に総合部門で金賞を受賞した6品を抽出し、独自の熟成・精米などの技術を加えた品を1キロ1万1304円で販売、「最も高額なお米」としてギネス世界記録に認定された。「生産者に夢を持ってもらいたかった」と同社。
こうしたコンクールは各地で開…