大成建設はトルコ政府に対し、過去に手がけたボスポラス海峡のトンネル工事費用について、未払い金を支払うよう求める書簡を出したと明らかにした。未払い金は約2億ドルとみられる。大成は金額を「回答できない」としているが、業績への影響は軽微のようだ。
現地報道によると、山内隆司社長(現会長)が1月末、工事完成を急ぐため必要になった追加費用の支払いを求める書簡をエルドアン大統領などに送った。書簡で司法に仲裁を委ねることも言及した。トルコ運輸省は必要書類を「受け取り次第約束を果たす」という。
大成は「交渉中のため事実関係や詳細を答えられない」としている。
アルジェリアでも鹿島や大成などが高速道路の工事費用を巡り、現地政府に未払い金1千億円超への対応を求めている。
大手ゼネコンの業績は堅調だが、東京五輪関連の需要がなくなる2020年以降の成長戦略が不可欠。国内に比べリスクを抱える海外市場の開拓も必要になっている。