【NQNニューヨーク=古江敦子】9日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比40銭円安・ドル高の1ドル=120円50~60銭で取引を終えた。一時は120円74銭と3月20日以来ほぼ3週ぶりの円安・ドル高水準を付けた。米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いが出た。この日の米経済指標が堅調と受け止められたことも円の重荷だった。
米新規失業保険申請件数は、中期の傾向を示す4週移動平均がほぼ14年10カ月ぶりの低水準になった。2月の米卸売在庫は前月から増え、証券会社が相次いで1~3月期の成長率を上方修正した。米景気の回復基調を背景に、米連邦準備理事会(FRB)による政策金利の引き上げ時期が想定より後になるとの観測はいったん和らいだ。
円の高値は119円86銭だった。
円は対ユーロで3日続伸し、前日比95銭円高・ユーロ安の1ユーロ=128円50~60銭で取引を終えた。一時は128円24銭と、3月17日以来の円高・ユーロ安水準を付けた。円はユーロに対して水準を切り下げて推移していたため、持ち高調整や利益確定を目的とした円買い・ユーロ売りが続いた。
ユーロは対ドルで4日続落。前日比0.0120ドル安い1ユーロ=1.0655~65ドルで終えた。一時は1.0637ドルと、3月19日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。欧州国債の指標銘柄である独連邦債10年物の利回りが低下(価格は上昇)し、一時は過去最低水準をつけた。欧米金利差の拡大を背景にユーロ売り・ドル買いを促した。堅調な米経済指標もユーロ売りを促した。
ユーロの高値は1.0778ドルだった。