【パナマ市=吉野直也、宮本英威】オバマ米大統領は11日、パナマ市で開催中の北米、中南米35カ国の米州首脳会議で演説した。交渉入りしているキューバとの国交正常化への意欲を強調。同時に「キューバのカストロ国家評議会議長と同じ会議に一緒に座っていることは歴史的だ」と述べ、米キューバ間の「新たな関係」をめざす考えを表明した。同日、オバマ、カストロ両氏は歴史的な首脳会談に臨む。
米州首脳会議で演説するオバマ米大統領(11日、パナマ)=ロイター
「キューバとは立場の違いはあるがお互い話し合っていく。両国の関係が前進すれば、お互いの利益につながる」とも訴えた。カストロ氏は演説で「米州首脳会議にキューバを参加できるようにしてくれたことに感謝している」と語り、同会議の出席国への謝意を示した。
1961年に国交を断絶した両国首脳の会談は59年ぶりとなる。会議での2人の演説は、首脳会談とともに両国の新時代の到来を印象付ける形となる。1月に始まった両国の国交正常化交渉が大きく動き出す可能性が出てきた。
米州首脳会議初日の10日、主催国パナマのバレラ大統領らが米国がキューバの参加を初めて認めた今回の会議を「歴史的」と称賛していた。