国立科学博物館などは11日、茨城県鉾田市や隣接する鹿嶋市の海岸に打ち上げられた156頭のイルカのうち、死んだ17頭を解剖した。同博物館の田島木綿子研究員は「発見時、沖合は海水温が低かったことから暖かい浅瀬に迷い込んだのでは」と分析した。
解剖は海岸に設置したテントで実施。田島研究員は、いずれも病気の症状はなく、餌の魚を深追いして迷い込んだ可能性も低いと説明した。打ち上げられたのは、カズハゴンドウと確認された。数百頭の群れをつくり、1~4月は茨城県沖を回遊する。
同博物館や愛媛大がさらに無傷の状態で死んでいたイルカを持ち帰り、死因などを詳しく調べるという。
鉾田市と鹿嶋市は解剖した17頭を含む約90頭を10、11日に海岸の砂地に埋めた。住民らが一部を海に戻したが、鉾田市によると、衰弱して砂浜に残っていたり波打ち際に漂ったりしているイルカもいるという。〔共同〕