ノイバイ国際空港に到着した天皇、皇后両陛下。右手前はベトナムのティン国家副主席=28日午後、ハノイ、代表撮影
天皇、皇后両陛下は28日午後、羽田発の政府専用機でベトナムに到着した。両陛下の同国訪問は初めて。昨年8月に天皇陛下が退位の意向をにじませるお気持ちを表明してから初の海外訪問となる。
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ハノイの空港ではダン・ティ・ゴック・ティン国家副主席夫妻らが出迎えた。タラップを降りた両陛下はアオザイ姿の女性から花束を受け取って、笑顔を見せた。
「私どもの訪問が両国の相互理解と友好関係の更なる増進に資することを願っております」。陛下はこの日午前、羽田空港での出発行事で見送りに訪れた皇太子さま、秋篠宮さま、安倍晋三首相らを前にこう述べた。
ハノイでは1日に歓迎行事に出席し、2日には終戦後もベトナムに残った残留日本兵の家族らと懇談。3日には古都フエに移動する。ベトナムからの帰路にはタイを訪れ、昨年10月に死去したプミポン前国王の弔問をする。陛下は前国王と半世紀を超える親しい交流を重ねてきたといい、出発に先立ち、最後のお別れをしたい、と述べた。
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ベトナムのグエン・スアン・フック首相は28日、朝日新聞の書面インタビューに応じ「両陛下の初のベトナムご訪問は、ベトナムと日本の友好関係の新たなページを開く歴史的な出来事だ」と歓迎した。「いま両国は歴史的にみて最も良好な関係にある」とし、近年の活発な人的交流は「両国をさらに近づける友好の懸け橋になっている」と述べた。(ハノイ=島康彦、鈴木暁子)