インドネシア政府が実施するイスラム過激派の矯正プログラムの対象者75人の中に、日本から強制送還されたインドネシア人の男1人が含まれていることがわかった。同国の国家テロ対策庁が6日、明らかにした。過激派組織との詳しいつながりは捜査中という。
記者会見した同庁のスハルディ・アリウス長官によると、男は20代。不法滞在容疑で日本で逮捕され、3日ほど前に強制送還された。過激派と判断した理由は明らかにしなかった。
同庁によると、宗教指導者らのカウンセリングを含むプログラムの対象者は1月23日以降に送還された未成年を含む男女75人。日本からの男のほかには、72人がトルコから、2人がシンガポールから送還された。
トルコからの72人はシリア国境で逮捕された。「シリアへ移住するつもりだった」と答え、過激派組織「イスラム国」(IS)に加わろうとした疑いがある。別の同庁幹部によると、うち1人は、昨年1月のジャカルタの爆破テロへの関与が疑われるIS戦闘員バハルン・ナイム容疑者の妻だという。(ジャカルタ=古谷祐伸)