【ロンドン=共同】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は13日、2014年の世界の軍事費(一部推計値)について発表した。日本はインドとドイツを下回り、13年の7位から9位に後退した。中国は13年比9.7%、ロシアは同8.1%も急増したと推計した。
05年と比べると、中国は167%、ロシアは97%、インドは39%、韓国は34%の増加だったのに対し、日本は3.7%減少した。円安が影響したとみられるが、アジアの中で相対的低下が目立つ。財政支出の削減を進める米国は05年比で0.4%減った。
世界全体の軍事費に占める割合は、1位の米国が34%にまで低下する一方、2位の中国が12%に伸長。3位のロシアは4.8%、4位のサウジアラビアは4.5%。
ロシアによる事実上の侵攻を受けたウクライナの軍事費は、13年に比べ23%増加したと推定。戦費を全て計算すれば、最終的な数字はさらに増えると推測した。周辺の東欧・バルト諸国でも、ロシアの脅威に対する警戒感が高まり、ポーランドの同13%増をはじめ、増加が顕著になった。
周辺で紛争が相次ぐサウジは、13年比で17%増加。アジアでは、南シナ海で領有権をめぐり中国と対立するベトナムも同9.6%増となった。
世界全体では、13年比実質0.4%減の1兆7760億ドル(約213兆円)。減少は3年連続だが、減少幅は縮小した。