山手線の架線の支柱が倒れた事故は、線路をまたぐ形で反対側の支柱とつないでいた「はり」を撤去したことで支柱の強度が弱まり、倒れる一因となった可能性があることが13日、JR東日本への取材で分かった。
JR東によると、はりは鉄製で架線をつるすために設置され、下に引っ張る力に対し強度を持っている。同社は3月25日に支柱を撤去するための工事を開始。はりには既に架線がつるされていなかったことから、支柱を残して、はりを先行して撤去した。
この支柱は、隣接している別の支柱とワイヤで結ばれていた。別の支柱には架線がかかっており、たるまないように5トンの力で引っ張っていた。
JR東は、はりの撤去で支柱の強度が弱まったため、ワイヤの引っ張る力に抗しきれず、倒れた可能性があるとみている。担当者は「強度を計算して、手順を踏んでやっているが、撤去も少なからず影響があった」とみている。