神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)」で生体肝移植手術を受けた4人が死亡した問題で、病院側は18日、今後の手術を一時取りやめることを明らかにした。
全国の肝臓移植医でつくる日本肝移植研究会が、スタッフが少ないなど体制が不十分だとして、生体肝移植手術の中止を近くセンターに求める方針を固めていた。
同センターの田中紘一院長(京都大名誉教授)は18日、取材に対し「現在予定している移植手術をいったん止めて、研究会の報告書を基に再検討することとした」と話した。一方で「死亡した事例は、無理に手術をしたわけではない」と説明した。
関係者によると、研究会が調査した結果、センターでは臓器提供者(ドナー)や移植を受ける患者の事前の検査が不十分だったり、移植手術に適応するかどうかの判断をする話し合いが十分行われていなかったりした事例があった。ほかにも、移植手術を実施するには医師や看護師などスタッフが少ない点が問題視されていた。
センターは神戸市が進める「医療産業都市構想」の一環として昨年11月に開設。今年3月までに7人に生体肝移植手術を実施したが、術後1カ月以内に4人が死亡した。〔共同〕