統一地方選の後半戦が19日告示され、九州でも一般市長選・市議選が始まった。人口減少社会への対応や地域経済の活性化など地方創生が課題となるなか、7日間にわたる選挙戦が幕を開けた。
大分市長選は元中小企業庁次長の佐藤樹一郎氏(57)=自民、維新、元気推薦=と、元大分大教授の椋野美智子氏(59)の無所属新人2人が立候補を届け出た。佐藤氏は公明党も支持し、椋野氏は民主党が実質支援、社民党も支える。12日に投開票された大分県知事選と同様、自民、民主両党が対決する構図だ。
出陣式で、佐藤氏は「産業を活性化させる」と強調。同じ経済産業省出身で4選を果たした広瀬勝貞知事との緊密な関係をアピールし、経済界の後押しも受ける。
知事選に出馬し落選した前大分市長、釘宮磐氏の後継とされる椋野氏は「子育て、介護をしながらでも仕事ができるような環境を整える」と訴え、女性や無党派層への浸透を図る。
ほかに九州の県庁所在地では長崎市長選が告示されたが、立候補者が1人しかおらず、無所属で現職の田上富久氏(58)が無投票で3選を決めた。市選挙管理委員会によると、長崎市長選での無投票は戦後初という。
田上氏は選挙事務所で支援者に、今年は長崎と広島への原爆投下から70年の節目だと強調。「被爆者の思いを継承し、平和の発信にしっかり取り組む」と訴えた。
長崎市長選を巡っては2007年4月、4選を目指し選挙運動中だった現職が暴力団幹部に射殺された。田上氏は補充立候補し初当選。前回は過去最多の得票で圧勝した。今回、自民、共産など各党は議会選を優先し候補者擁立を見送った。〔共同〕