【ヒューストン=稲井創一】米IBMが20日発表した2015年1~3月期決算によると、売上高が前年同期比12%減の195億ドル(約2兆3400億円)となった。減収は12四半期連続。低採算事業の売却やドル高の影響が響いた。力を入れるクラウドコンピューティング事業は全体をけん引する力に欠けた。
純利益は2%減の23億ドルだった。リストラの一環で14年に中国レノボに低価格サーバー事業を売却するといったリストラ策の影響が出た。さらにドル高だけで前年同期比で約17億ドルの減収要因になり、為替動向が強い逆風となった。
事業別では企業向けシステム構築などのIT(情報技術)サービスやソフトウエアが減収となった。不振のハードも減収だがメーンフレーム(汎用機)が新製品効果で伸びた。費用面では、販管費を14%削減。研究開発費も7%削った。ただ、収入の落ち込みを補えず、減益となった。
クラウドの普及で顧客が安価でITサービスを利用できることになり、高品質なハードやサービスを強みとしていたIBMの事業モデルが通用しにくくなっている。このため、データ分析、携帯・セキュリティー分野など付加価値の高い分野を注力分野に掲げ、経営資源を重点投入している。1~3月期も注力分野の拡大傾向は続いた。