【北京=山田周平】中国の国営中央テレビは22日夜のニュース番組で、日中首脳会談をトップニュースの一部として報じた。中国側が「(日本側の)求めに応じて」受け身で会談したと強調しているものの、習近平国家主席が「我々は日本側と対話・意思疎通を強めたい」と語ったと伝えた。2014年11月の前回の会談時に比べ、前向きに取り扱っている。
習主席のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)出席を報じるニュースのなかで、日中首脳会談について約2分20秒伝えた。両首脳の握手の映像を流し、安倍晋三首相の「私は日中関係の改善を強く望んでいる」との発言を紹介した。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて行った前回の首脳会談後のニュースでは、両首脳の握手の映像は数秒間で画面から消えていた。日本以外の国との2国間外交を華々しく伝えているのと対照的だった。
国営中央テレビの夜のニュース番組は共産党・政府の意向を強く反映する。国営新華社も同日夜、日中首脳会談の記事を配信したが、中身は同テレビの報道と全く同じだった。