中国の動画共有アプリ「抖音」(TikTok、ティックトック)のモバイル決済サービス「TikTokペイ」が19日にリリースされた。TikTokアプリ内でのショッピングで、支付宝(アリペイ)と微信(WeChat)ペイのほか、TikTokペイでも決済ができるようになった。「北京日報」が伝えた。
現在、TikTokペイは中国10銀行の銀行カードと紐付けできる。
TikTokの親会社の字節跳動(バイトダンス)は2020年8月に武漢合衆易宝科技有限公司の買収を完了し、決済業務の営業許可証を取得すると、独自の決済サービスリリースへとペースを明らかに加速させていた。
業界の専門家は、「バイトダンスは中国国内最大規模のフローのプールをもつようになると、広告のみに依拠した現金化モデルにばかり頼りたくないと考え、他の可能性を探すようになった。ECが張一鳴CEOの出した答えだった」と話した。
18年の始め、バイトダンスはECサービスツール「放心購」を打ち出した。同じ年には、TikTokの小型店舗機能をリリースした。——小型店舗機能は現在、Tiktokのライブコマースにおける最重要の取り引きルートになっている。
長らく、中国国内のモバイル決済市場は微信と支付宝がほぼ二分し、それ以外の参入者はほとんどシェアを獲得できなかった。前瞻産業研究院のまとめたデータでは、19年第4四半期(10-12月)の時点で、支付宝の市場シェアは55.10%に達し、微信の財付通(テンペイ)のシェアは38.9%で、3番目の「その他」のシェアはわずか6%だった。——このわずかな6%をよりどころに、京東支付、壹銭包やその他の決済市場のプレイヤーは寄り集まって対抗するしかなかった。TikTokペイの参入でこうした構造が変わるかどうか見守っていきたい。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年1月20日