政府は4日、世界文化遺産に推薦している「明治日本の産業革命遺産」(福岡、長崎など8県の23施設)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が世界遺産に「記載」すべきだと勧告したと発表した。7月にドイツで開かれる世界遺産委員会で正式に決定となる見通し。国内の世界遺産は19件となる。
八幡製鉄所の旧本事務所(北九州市八幡東区)=共同
諮問機関は遺産の名称を「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」と変更すべきとした。
明治日本の産業革命遺産は1850年代から1910年、西洋からの技術移転により、日本の近大化の土台となった工場や炭坑、港湾などの施設群で構成される。
具体的には、官営八幡製鉄所(現・新日鉄住金八幡製鉄所、北九州市)や三菱長崎造船所(長崎市)、「軍艦島」として知られる端島炭坑(長崎市)、松下村塾(山口県萩市)など8県11市の23施設を、政府が推薦していた。
日本には18の世界遺産がある。文化遺産は「古都京都の文化財」(京都府、滋賀県)、「原爆ドーム」(広島県)、「富士山」(静岡県、山梨県)など14件。自然遺産は「屋久島」(鹿児島県)、「小笠原諸島」(東京都)など4件。
明治日本の産業革命遺産が登録されれば、富士山、「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)に続いて3年連続となる。
政府は、来年の世界遺産委員会には「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)を推薦している。