GI登録産品の例
地域の風土や伝統に根ざした農産物に、国がお墨付きを与える地理的表示(GI)保護制度の登録品が増えている。登録によって販売量が増加した産地も出始めた。国は国際的に権利を保護できるようにして輸出力の強化にもつなげたい考えだ。3日には「特産松阪牛」や「米沢牛」など新たに4産品が登録された。
強いうまみが続くことが特徴とされる「西尾の抹茶」(愛知県)は、3日に追加登録された一つ。西尾茶協同組合の奥谷陽一郎事務局長(35)は「全国の産地が輸出を見据えて煎茶から抹茶に移行するなか、差別化につながる」と登録の効果に期待を寄せる。
GI保護制度は2015年6月から運用が始まり、2年弱で21道県28産品が登録された。1月には、都内でPRイベントが初めて開かれ、全国の生産者団体が登録品をアピールした。
「糖度が高くて柔らかいですよ」。500年以上の歴史を持つ干し柿「市田柿」(長野県)のブースでは、富士山をモチーフにした「GIマーク」のシールを貼った商品が並んだ。購入した東京都港区の主婦、樺山幸子さん(57)は「そこでしか作れない理由があって面白い。日本って多様ですね」と話した。