衆院憲法審査会は7日午前、今国会で初めての実質的な討議を実施した。憲法改正を検討すべき内容について各党が見解を表明した。自民党の船田元・憲法改正推進本部長は、大災害に備える「緊急事態」や「環境権」「財政」の3項目を優先的に議論することを呼びかけた。
憲法改正に関する実質的な議論は昨年11月以来となる。船田氏は自民党が優先する3項目のなかでも、特に緊急事態条項について「大災害時の国会議員の任期延長をあらかじめ明記することは急務だ」と主張した。「各党の合意を得るために妥協する」とも述べた。
民主党は自民党の優先3項目については、議論する必要性を認めた。一方で、安倍晋三首相の憲法観を問題視し「立憲主義などに関する各党の考えを確認したうえで改正の是非を問うべきだ」と慎重姿勢を示した。
維新の党は「国民に直接判断してもらう機会を早急に整える必要がある」として早期の改正を主張。同党が掲げる道州制の導入や首相公選制、一院制の実現を訴えた。公明党は「加憲」項目としてプライバシー権などの「新しい人権」を議論すべきだなどと主張したが、改正には「冷静かつ慎重な議論が必要だ」とも強調。積極姿勢の自民党をけん制した。
共産党は「国民が改憲を求めていない」と議論に反対した。次世代の党は「合意できるところから合意し、改正すべきだ」と表明した。