【ニューヨーク=高橋里奈】米東部メリーランド州のホーガン知事は6日、ボルティモア市の非常事態宣言を解除した。ボルティモアでは黒人男性が警察に拘束された後に死亡した事件を巡り、大規模な抗議デモと暴動が発生。知事は4月27日に非常事態を宣言し、警官とデモ隊の間で緊張が高まった。宣言解除とともに州兵も撤収し、事態は収束に向かっている。
ホーガン知事は「市と市民が平和で安全な環境を回復し、再建できるようになると宣言することをうれしく思う」との声明を発表した。同州によると、暴動では約250の商店や約170台の車が被害を受け、約130人の警官が負傷した。3日にはローリングスブレイク市長が夜間外出禁止令を解除しており、暴動は沈静化している。
黒人のフレディー・グレーさんの死亡事件に関与した6人の警官は訴追された。ローリングスブレイク市長も6日の会見で「警官にボディーカメラを年末までに携帯させる」と宣言。米司法省の捜査のもと警察組織の改革を約束するなど市民の反警察感情の沈静化に努めている。