原子力規制委員会の有識者会合は8日、関西電力美浜原子力発電所(福井県)の敷地内にある断層について「活断層ではない可能性が高い」と結論づける評価書案を公表した。関電は稼働から40年を超えた1、2号機の廃炉を決め、3号機については稼働40年以降の運転延長を目指している。規制委は今後、延長の前提となる3号機の安全審査を本格化する。
関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)=共同
美浜原発の敷地内には9本の断層(破砕帯)があり、うち4本が3号機の直下を横切る。敷地から約1キロメートル東にある活断層「白木―丹生(にゅう)断層」で地震が発生したときに連動する可能性が指摘されていた。関電は粘土鉱物を分析した結果などから、12万~13万年前以降に断層が動いた形跡はなく、活断層ではないと主張していた。
評価書案では、関電の主張を大筋で妥当と認定。「12万~13万年前以降に活動していない可能性が高い」と判断した。一方で鉱物の年代の詳細な把握などについて検討が必要との認識も示した。
規制委は4月、敷地内の断層に活動性はないとの方向性が出たとし、3号機の安全審査を本格化することを決めている。