厚生労働省は9日までに、患者の死亡など医療安全上の問題が相次いでいる群馬大病院、東京女子医大病院、千葉県がんセンターに対し、院内で実施している先進医療の新たな患者の受け入れを停止するよう求めることを決めた。先進医療の実施状況や自主点検の結果の報告も求める。
先進医療は、ある程度の治療実績が積み重ねられ、厚労省が治療法として承認した最先端の医療技術。費用は全額自己負担となるが、一定の施設基準を満たせば保険診療と併用できる。
群馬大病院が実施している先進医療は重粒子線治療など、東京女子医大病院はがんのワクチン療法など、千葉県がんセンターは早期乳がんのラジオ波焼灼療法などがある(4月1日現在)。
群馬大病院と千葉県がんセンターでは、腹腔鏡手術を受けた患者の死亡が相次いで発覚。東京女子医大病院では鎮静剤の投与後に子どもが死亡する事故があった。
厚労省は、群馬大病院と東京女子医大病院に対し、医療安全管理体制に不備があるとして、高度医療を提供する特定機能病院の承認取り消しを決めている。〔共同〕