鳥取県は18日、後継者の不在など事業承継に悩む中小企業を支援する「事業引継ぎ支援センター」を鳥取市内に開いた。経営支援を担う4機関を集結させ、ワンストップで支援策と連携させる。金融機関や商工団体などと連携し、県の産業政策ともつなげる。
センターの事務所は国や県の委託を受けて経営支援に取り組む4機関が同日開いた「ビジネスサポートとっとり」内に構えた。銀行OBなどがコンサルティングを行う。事業承継に悩む企業の情報も集める。
ビジネスサポートは県内の官民20機関からなる「とっとり企業支援ネットワーク」と連携する。ネットワークは2008年、旧鳥取三洋電機の工場撤退に伴う取引先支援のために発足した。過去3年間で百数十件の経営・金融支援実績がある。
帝国データバンク鳥取支店によると、県内企業のうち後継者が決まっていない企業の割合は74.4%と全国5位の高水準。「円安などで倒産は減っているが、後継者が得られず休業する会社の水準は変わらないのが現状」(同支店長)という。
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鳥取県は18日、18年度末までに正規雇用1万人の創出を目指す庁内横断プロジェクトの初会合を開いた。企業誘致に加え、農林水産業や医療福祉関連産業などの分野で正規雇用を積み上げ、1万人を目指すことなどを確認した。7月上旬までに原案を作成する。
プロジェクトは、4月の統一地方選で3選した平井伸治知事の公約の一つ。雇用創出で転出などによる人口の社会減抑制を目指している。