奄美大島付近の海底に「ミステリーサークル」のような円形模様を描く小型のフグが米研究所が選ぶ2015年の「世界の新種トップ10」に入った。国立科学博物館が22日までに発表した。
同博物館の松浦啓一名誉研究員が昨年、新種として発表したアマミホシゾラフグ(体長10~15センチ)で、オスが砂地の海底に直径約2メートルの同心円状の「産卵巣」を築き、中心にメスが産卵する。
円形構造を作る魚はほかにもいるが「これほど複雑な模様を描く例はない」(松浦氏)。中心部に新鮮な水が集まりやすいほか、美しい構造でメスを呼び込む効果もあると考えられるという。
米ニューヨーク州立大学の国際生物種探査研究所が選考委員会をつくり毎年特色のある新種をトップ10に選んでいる。今年は米国研究者が日本でみつけたウミウシの仲間も選ばれ、過去の分も合わせると日本から報告されトップ10に入った新種は計3件となった。