総務省消防庁は30日までに、消防防災ヘリコプターの操縦士確保を目指し、有識者や地方自治体の防災担当者らによる検討会を立ち上げた。全国的に深刻化している人材不足を打開したい考えで、元自衛隊員らの積極的な登用や定年退職した経験者の再任用、若者へのPR活動の在り方などを協議。来年3月末までに具体策をまとめる方針だ。
消防防災ヘリは、同庁のほかに38道県と東京消防庁、15政令指定都市の消防局が所有し、計76機ある。運航を民間に委託しているケースを除くと操縦士は計117人、平均年齢45.4歳で、今後の高齢化を見据えた対策を迫られている。
ヘリ操縦士の需要はドクターヘリの普及などで高まっているが、高額な免許取得費がハードルとなって担い手が少ない。職員として操縦士を採用後も、実地訓練のために1人当たり3千万~5千万円が必要という。
検討会の初会合で、座長を務める東京大大学院の鈴木真二教授(航空工学)は「養成には時間もかかる。長期的な視野を持って取り組まなければならない」と話した。〔共同〕