日本初の人権宣言といわれる「水平社宣言」の資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に登録しようと、水平社博物館(奈良県御所市)を運営する奈良人権文化財団などは3日、日本ユネスコ国内委員会に申請書を郵送した。
昨年も申請したが、国内委の選考で落選した。今回は2017年の登録を目指す。
登録を求めているのは、宣言文や水平社の旗など関係資料11点。同財団と、一部を所有する崇仁自治連合会(京都市)が共同申請した。
御所市出身の西光万吉が起草したとされる宣言は1922年3月、京都市であった全国水平社の創立大会で採択された。部落解放に向けた団結を呼び掛け、人間の尊厳を訴える内容で「人の世に熱あれ、人間に光あれ」の結びの言葉で知られる。
同財団の川口正志代表理事は記者会見で「宣言は被差別者が連帯して立ち上がり発信したもので、登録を目指すことは世界に人権意識を広める役割を持つ」と話した。〔共同〕