【台北=共同】台湾北部、新北市にある遊園地のプール「八仙水上楽園」で27日、イベントの最中に噴射したカラーパウダーに引火した火災で、消防当局は28日、やけどの負傷者が20代と30代の日本人女性2人を含む計498人となったと発表した。うち202人が重傷という。
2人の日本人は入院中で、いずれも重傷。日本の対台湾窓口機関、交流協会台北事務所によると、2人は友人。身元などは明らかにしていない。
火災は27日午後8時半(日本時間同9時半)すぎに発生。プールサイドに設置された舞台での音楽イベントで、集まった観客に向けてカラーパウダーを吹き付けた際、可燃性のパウダーに何らかの理由で引火した。
消防当局幹部は28日の現場検証の合間に取材に応じ「たばこの吸い殻や照明などから発火した」可能性に言及。空中のパウダーに瞬時に燃え広がった「粉じん爆発」の可能性があるとの見方を示した。
地元テレビは、パウダーの噴射直後、舞台前で音楽に合わせて踊るなどしていた水着姿の若者ら数百人の間に炎が広がった様子をとらえた映像を報じた。若者らは悲鳴を上げながら逃げ惑い、ある女性は青ざめた表情で「地獄のようだった」と話した。
台湾当局は28日、公共活動での同種パウダーの使用を当面禁止すると決定。警察当局は過失傷害などの疑いで主催者らの事情聴取を始め、朱立倫市長は遊園地の営業停止を命じた。