国際廃炉研究開発機構(IRID)と東芝は30日、東京電力福島第1原子力発電所2号機の原子炉格納容器内に、8月にも投入する調査用ロボットを横浜市内にある東芝の工場で公開した。廃炉工程で最も難しいとされる溶けた核燃料(デブリ)の取り出しに向け、原子炉周辺の温度や放射線量などのデータを収集する。うまくいけば、事故後初めてデブリを映像で捉えられる可能性もあるという。
ロボットの大きさは長さ約54センチメートル、重さ約5キログラム。前方と後方にカメラを備える。後方のカメラを起こすとサソリのような形状になる。格納容器の側面にあって制御棒などを取り出すための貫通部から投入し、カメラと照明で内部を広範囲にわたって撮影する。格納容器内の放射線量は毎時100シーベルト程度と想定されている。IRIDなどは、10時間連続で作業して被曝線量が累積1000シーベルト程度まで耐えられるようロボットを設計。このほか転倒などのトラブルに備え自力で起き上がる機能を持たせた。