気象庁は1日、ごく小規模な噴火が発生した箱根山(神奈川県箱根町)で6月30日に火山性地震を603回(速報値)観測したことを明らかにした。火山活動が活発になった4月下旬以降最多。1日も火山性地震が観測されており、同庁は引き続き大涌谷の火口から約1キロの範囲内で小規模な噴火に警戒を求める。
気象庁によると、噴火は6月29日夜から30日朝の間に発生したとみられる。火山性地震は29日に183回となり、30日は午前7時から正午にかけて多発した。体に感じる揺れも10回観測した。
30日に上空から観測したところ、大涌谷で新たにできた直径約10メートルの小さな火口から勢いよく蒸気が噴き出していた。周囲の温泉供給施設の蒸気も勢いが増していた。
気象庁は「今後も大涌谷周辺では噴石の飛散を伴う小規模な噴火に警戒が必要」と説明。火山性地震や山の膨張を示す傾斜計のデータを詳しく解析し、噴火の発生時刻などの特定を進める。
気象庁は30日午後に噴火発生を発表。箱根町は火口から半径約1キロの範囲に避難指示を出した。