【NQNニューヨーク=横内理恵】2日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比15銭円高・ドル安の1ドル=123円00~10銭で取引を終えた。米雇用統計で雇用者数の増加幅や賃金の伸びが市場予想を下回った。米連邦準備理事会(FRB)の将来の利上げペースが緩やかになるとの見方から円買い・ドル売りが優勢になった。米長期金利が下がり、日米金利差縮小を手掛かりにした円買い・ドル売りも入った。
雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比22万3000人増えた。23万人程度増えるとの市場予想を下回った。4~5月分も下方修正された。平均時給は前月比0.2%程度上昇するとの予想に対して横ばいにとどまった。失業率は5月から0.2ポイント低下したが、労働参加率の低下などが寄与したとの受け止めが多かった。
1日に米民間雇用サービス会社ADPが発表した6月の全米雇用リポートは市場予想を上回って改善したことなどから、この日の雇用統計もやや強めの内容になるとの観測が出ていた。雇用統計の発表までは円が売られていたこともあり、統計発表後は円の買い戻しが目立った。
5日にギリシャ政府が実施する予定の財政緊縮案受け入れの是非を問う国民投票を控え、対ユーロなどを中心にドルの買い持ちを整理する動きが目立ったといい、対ドルでも円が買われやすかったとの指摘があった。
この日の円の高値は122円96銭、安値は123円75銭だった。
円は対ユーロで6営業日ぶりに反落し、前日比25銭円安・ユーロ高の1ユーロ=136円35~45銭で取引を終えた。ユーロが対ドルで上げ、円の対ユーロ相場は円売り・ユーロ買いが優勢になった。
ユーロは対ドルで3日ぶりに反発し、前日比0.0030ドル高い1ユーロ=1.1080~90ドルで終えた。米雇用統計で雇用者数や賃金が市場予想ほど伸びなかったのを受けてユーロ買い・ドル売りが優勢だった。ギリシャの国民投票を前にユーロの売り持ちを整理するための買い戻しもあった。
ユーロの高値は1.1122ドル、安値は1.1051ドルだった。