岩手県久慈市の久慈琥珀博物館は3日までに、同館近くにある約9千万年前の白亜紀後期の地層から、ワニでも恐竜でもない謎の水生爬虫(はちゅう)類「コリストデラ類」の化石2点が見つかったと発表した。
調査した早稲田大の平山廉教授は白亜紀後期のコリストデラ類の化石発見はアジア初と指摘し、「新種の可能性が高く、進化や分布を考える上で貴重だ」としている。
平山教授によると、見つかったのはいずれも背骨の一部で長さ8.5ミリ、高さ7.3ミリと、長さ10.7ミリ、高さ10.6ミリの二つ。体長は1メートル程度だったと推測される。同じ地層からサメ類の骨が大量に出土しており、河口付近で魚などを食べ生活していたとみられる。
コリストデラ類は、約1億8千万年前のジュラ紀中期から約1500万年前の間に北半球に広く生息した爬虫類。独自の系統に属するが、詳細はよく分かっていない。これまでに世界で11属24種の化石が見つかっているが、アジアでは白亜紀前期までの化石しか発掘されておらず、それまでに絶滅した可能性も指摘されていた。
平山教授のチームが昨年8月と今年3月に久慈市内で化石を発掘し、神奈川県立生命の星・地球博物館の松本涼子学芸員に鑑定を依頼。骨の形状や溝などから特定した。〔共同〕