神奈川県箱根町の箱根山・大涌谷で、神奈川県温泉地学研究所が6月に現地調査した際、噴き出た水蒸気が冷やされ液化し、土砂と混ざって流れ出たとみられる「泥流」を撮影していたことが3日、分かった。
研究所によると、撮影は噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられる前日の6月29日午後3時ごろ。気象庁は最初の噴火の発生時期について「29日夜から30日にかけて」としているが、火山灰が混じった泥とみられる水滴のようなものも撮影されていたことから、研究所は「それより早く噴火が起きていた可能性がある」としている。
撮影場所は大涌谷の半径約300メートルの避難指示区域内。泥流は幅数メートルで、数十メートルにわたって流れているのが確認されたという。
大涌谷の火山活動を記録するため設置された定点カメラにも29日午後0時半ごろ、粘着性のある水滴のようなものが付着する様子が映っていた。火山灰が混じった泥とみられるという。〔共同〕