東日本大震災ですぐに津波から逃げた人は、段取りを考え自ら動く「問題解決力」や、常に冷静でいられる「感情を制御する力」を備えている――。被災地を対象に、性格や特長と、災害時の行動との関連を探る調査でそんな傾向が浮かび上がったと、東北大が6日までに米科学誌で発表した。
宮城県で津波を受けた地域に住む約1400人に「リーダーシップ力」や「人を思いやる力」など8分野の質問を提示。同時に震災の際に取った行動や心身の健康状態を尋ね、どの分野との関連が深いか調べた。
その結果、津波から素早く逃げた人は、自ら動いたり、何をすべきか迷った時に選択肢を挙げて考えたりする「問題解決力」などがあり、自分から人を集めて話し合うといった「リーダーシップ力」も高い傾向が判明。
震災後も心が健康な人は、新しいことへの挑戦を心掛けたりストレス解消の習慣があったりする「生活を充実させる力」を備えていた。「感情を制御する力」や「問題解決力」なども高かった。
震災時に宮城県内4市の浸水域に住んでいた3600人に2013年12月、調査票を郵送し、1412人から回答を得た。〔共同〕