24日午前0時45分ごろ、相模原市中央区の在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)から「爆発があり、倉庫で火災が起きた」と市消防局に専用回線を通じて出動要請があった。複数の周辺住民から119番も相次いだ。消防局によると、平屋建ての倉庫1棟が炎上、約900平方メートルを全焼し、約6時間半後に鎮火した。けが人の情報はない。
在日米陸軍司令部の広報室は「爆発の原因は調査中」とした上で、倉庫内に酸素や窒素、フロンなどを圧縮したボンベがあったと明らかにした。消防局によると、焼け跡にはボンベが散乱している。
在日米軍司令部は「貯蔵庫は危険物保管施設として指定されておらず、保管されていたものの特定を進めている。相模総合補給廠で弾薬や放射性物質は保管していない」とコメントした。
菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で「周辺の住民に不安を与えるもので、極めて遺憾だ。情報提供や原因究明、再発防止など、国内の米軍関係施設の安全対策を強く求めていく」と述べた。
また相模原市は在日米陸軍基地管理本部司令官のウィリアム・ジョンソン大佐が同日、加山俊夫市長に対し、電話で謝罪したと発表した。
神奈川県警によると、米軍基地や施設内で事件や事故が起きた場合、日米地位協定に基づき、日本の警察は捜査権を持たない。
焼け跡には酸素ボンベやエアコン冷却用ガスボンベ、消火器が大量に散乱。周辺住民が何らかの物体が上空に飛んでいくのを目撃、市消防局はボンベが飛散した可能性があるとしている。焼け跡のボンベには爆発せずに原形をとどめた状態のものもあるという。
市消防局と米軍消防は当初、倉庫内の物資の保管状況が不明で延焼の恐れもないため、協議の上、放水を控えたが、火勢が衰えた後に倉庫内を調べ、危険物がないことを確認、放水した。
補給廠はJR横浜線相模原―矢部間の線路北側に沿って位置し、面積は約200ヘクタール。神奈川県や市によると、在日米陸軍の物資を保管する倉庫などが設置されている。〔共同〕