【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は24日、再生可能エネルギーの普及促進策を発表した。シャープの米子会社の太陽光発電の技術開発などを支援するほか、分散型電源プロジェクトに最大10億ドル(約1200億円)の債務保証を付与する。温暖化ガスの排出削減を促し、低炭素社会の実現に向けたインフラ整備を加速する。
オバマ氏は米ネバダ州ラスベガスで開いたクリーンエネルギーの会合で演説した。クリーンエネルギーの促進に向け、州と連邦政府の省庁横断作業部会を設置した。
米国防総省は米シャープ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカが手がける太陽光パネルに光を集めて効率的に発電する技術のほか、米カリフォルニア工科大、マサチューセッツ工科大など計11件の研究開発計画に計2400万ドルを援助する。
40カ所の米軍基地にある職員向け住宅に太陽光パネル(設備容量23万3千キロワット)も設置する。
分散型電源プロジェクトは家庭の太陽光パネルや充電装置、スマートグリッド(次世代送電網)、原油や天然ガスの掘削施設へのメタンガス回収装置などが対象。再生可能エネルギー導入やエネルギー効率を改善した住宅向けに、新たな住宅ローン融資制度も始める。
米は温暖化ガスの排出削減目標として「2025年までに05年比で26~28%削減」を掲げた。野心的な目標を打ち出すことで、オバマ氏は今年末にパリで開く第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)での交渉を主導することを狙っている。