菅義偉官房長官は9日午前、首相官邸で沖縄県の安慶田光男副知事と会談し、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐる集中協議終了後も対話を続けるため、関係閣僚と翁長雄志知事らによる新たな協議会の設立で一致した。沖縄の基地負担軽減や振興策が議題になる。
「政府・沖縄県協議会」(仮称)は、政府側から菅氏、岸田文雄外相、中谷元・防衛相、山口俊一沖縄・北方相ら関係閣僚、沖縄側から翁長氏、安慶田氏が出席する。菅氏は記者会見で「県から政府との協議会をつくってほしいとの要請があった。緊密な連携が取れる体制を作っておく」と語った。初会合の日程は今後詰める。
政府は8月10日から辺野古移設作業を中断して県と集中協議に臨み、9日が期限。5回の協議ではいずれも平行線のまま終わった。12日ごろまで予定する県のサンゴ礁損傷に関する潜水調査が終わった後に、移設作業を再開する方針だ。
政府と県が新たな協議会を設けるのは、米軍嘉手納基地以南の施設・区域返還や振興策に関する対話の窓口を維持するためだ。沖縄県内では宜野湾市や名護市の市長も新たな協議会への参加を求めていた。菅氏は関係自治体の首長の出席について「固定したものではない。柔軟にやっていきたい」と述べた。